崎山地区の伊勢えび漁は、三重刺網漁法(みえさしあみぎょほう)という、三つの網を重ねて仕掛ける漁法で、代々受け継がれている伝統の技。漁獲量、価格ともに年々低下するなか、この三重に網をかさねるこの漁法は、一般の刺網漁よりも水揚げ量が安定している漁法のひとつだ。
まだ陽ものぼらない早朝、仕掛けた網を回収するため海に出る漁師たち。漁の結果は誰にもわからず、思ったように獲れなければ明日の漁へと望みをかけ、大漁ならば皆で喜びを分かち合う。漁が終われば、網に絡まっている伊勢えびを傷つけないように一匹一匹を慎重にはずすのだが、これがなかなか神経を使う作業。網が破れていることもあるので、そんな時は修繕で一日が終わってしまうこともあるという。「面倒なこともあるが、この長年受け継がれている伊勢えび漁が、ずっと続いてほしい」と崎山地区の漁師さんたちは願っている。そんなひたむきな思いが詰まった五島の食材を、島を訪ねずとも漁師さんに直送してもらう魅力は大きい。 |